黄金帝国12-ドン・ファン公ネーデルランド総督

1576年、フランスはブロアで全国三部会が開催された。ユグノー派、カトリック派、それにポリティーク派が鎬をけずる大騒動だった。王の法律は三部会の承認が必要という革命的な決議までされた。すでに74年にはカルヴァン派指導者テオドール・ド・ベーズが「臣民に対する為政者の権利」というマニフェストを発表していた。

しかし会議で勝利したのは旧教派だった。聖職者、貴族、平民この三部とも代表はカトリックが就任していた。そこで三部会はアンリ3世が結んだ信教の自由の拡大の協約を取り消してしまったのだ。

旧教派を支援していたのはスペインのフェリペ2世である。しかしアルバ公の代わりの総督が亡くなり、給料不払いのスペイン兵が各地で略奪を行った。さすがにカルヴァン派の乞食党以外も耐えかね、76年11月、全国会議が開催され「ヘントの和平」が決定され、スペイン兵の撤退を要求した。

これに対しフェリペは、空席になったネーデルランド総督に、レパントで勝利の後王命違反で失敗した異母兄弟であるドン・ファン・デ・アウストリアを就任させる。ドン・ファン公は今度こそ成功させるという意志をもって5万のスペイン兵と共にブリュッセルに到着した。

下はブロア城の三部会会場

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。