英国処女王2-新女王ブラッディマリー

新しくイングランド女王となったメアリの母といえばヘンリー8世の最初の王妃スペイン王家のキャサリンである。まあ彼女は父が母と離婚してからやりたい放題のところを見てきたわけだ。当然英国教会に好意を持つはずがない。彼女はずっとカトリックからの改宗を拒み続けた。

そして1553年王位につくや教皇至上権の復活宣言を行ったのだ。そして皇帝カール5世と国政について相談をし、なんと1554年7月20日カールの息子フェリペと結婚をした。一旦は頓挫したカールのヨーロッパ統一はま途切れていない、という希望をカールに与えたのだ。

しかし英国内では、この結婚に反対してトマス・ワイアットが反乱。メアリは自分の結婚は英国の利益となると演説してこれを鎮圧した。そしてこの結婚式に教皇特使を招き、「イングランドは統一キリスト教に復帰した」と宣言したのである。これはあまりに急激すぎた。

メアリは、55年には異端禁止法を復活させ、オックスフォード、ケンブリッジのプロテスタント神学者を火刑にしたのを皮切りに、翌年には英国トップのカンタベリー大司教トマス・クランマーを火刑にした。処刑された宗教指導者は300人にのぼり、彼女は「ブラッディメアリー」と呼ばれることになる。

下はトマス・クランマー火刑


0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。