1553年7月6日、あれほど父ヘンリー8世を喜ばせた王エドワード6世はわずか15歳で崩御した。当初から身体が弱く、どう見ても人並みの人生は望めないと思われていた。しかしそうなると、残るのは女性のみ。姉メアリーが有望視されたが女王への反対も多かった。
そこで英国伝統芸といえる陰謀が始まる。摂政ジョン・ダドリーは、カトリックのメアリーに反対し、ヘンリー7世のひ孫ジェーン・グレイをつなぎの女王にしてその息子を国王にすればよい、と臨終の床の王に迫った。実はジェーンはダドリーの息子が結婚していたのである。
この勅状は崩御のときに公開されたが、ジェーンはまるで知らず、知らされたときには卒倒したという。またメアリーは不穏な動きを察知したノーフォーク公の城に匿われ難を逃れた。そして7月19日、メアリは即位を宣言。ダドリーの陰謀はあまりにも無理があり皆メアリについた。
ジェーンはわずか9日間の女王となり、父ダドリーは処刑。ジェーンは夫ともどもロンドン塔に幽閉された。新女王メアリはさすがに処刑せず、カトリックに改宗すれば許すと言い渡したが、2人共それを拒否し、翌54年2月12日に斬首された。可哀想なこの女王の幽霊にはやはりロンドン塔で会えるようだ。
下は怖い絵で有名になったポール・ドラルーシュ作
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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