ヘンリー8世の6番目で最後の王妃キャサリンは実に良妻だった。我儘な王をうまく懐柔しただけでなく、子供達の教育もしっかり施した。特に庶子扱いのメアリ、エリザベスを復権させ、弟エドワードを共に教育をした。彼女はラテン、ギリシャ、フランス語に通じたが、エリザベスに受け継がれる。
そこで英王は安心して大陸に戦争に行った。皇帝カール5世との同盟でフランスを攻め、1544年にはブーローニュを陥落させ、モントルイユに進軍、皇帝との和がなったフランスが反撃に出たが、結局8年分割で200万ルーブルの支払いで軍を大陸から引き揚げた。
英仏と帝国にようやく平和が戻った。カールの気がかりは、うっかりと結婚の引き出物にミラノか、ネーデルランドをやると言ってしまったことだった。しかし何と、結婚相手の仏王3男オルレアン公が45年9月に急死してしまう。幸か不幸かカールは危うく約束違反をせずにすんだ。
そして45年、カールが要望していた公会議が30年ぶりにトリエントで開催された。カールはこの公会議にキリスト教一致の望みをかけ、プロテスタントも招待しようとした。しかしもはや溝は修復できず、公会議では、カトリックが改革してプロテスタントに対抗することになった。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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