英国離婚王9-英王5度目婚、皇帝失言?

さて英国では、またも結婚問題が起きていた。ヘンリー8世にキャサリン・ハワードという愛人が出来る。4度目のプロテスタントとの政略結婚は、かえって国際的孤立を招き、たった6ヶ月の1540年7月8日に離婚、キャサリンとすぐ結婚した。王49歳王妃29歳。そしてクロムウェルは、王妃の伯父トマス・ハワードによって失脚され、同日処刑された。

一方、珍しく大人しいフランス王は、40年皇帝カール5世に使者を出した。カールはガンの反乱鎮圧でフランス通過したとき感激して、つい「ミラノを返してもいい」と言ってしまったらしい。ところがそれをカールは覚えていなかったのだ。

フランス宮廷ではその頃2人の貴婦人が勢力争い。東方は王の寵姫アンヌ、西方は王太子の愛人ディアーヌ。よくある宮廷の妍の争いならいざ知らず、そこに提督シャポと大元帥モンランシーが加わって、宮廷の派閥争いと化した。シャポは主戦派、モンランシーは平和派だった。

最初シャポが公職追放されたが、その際の陰謀が露見したということで、モンランシーが追放され、シャポが復帰、主戦派っが宮廷を握った。何のこたない。「珍しく下手に出りゃつけあがりやがって」とフランソワがカールに怒ったのだ。まあフランソワの聞き違いかもしれないが。

下はトマス・クロムウェルの処刑。トマス・モア他処刑した末路?

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。