我ここに立つ13-ドイツ農民戦争勃発

1524年いよいよドイツでは農民の大反乱「農民戦争」が勃発した。とかく世の中、旧来の権威が失墜するとき考えられない乱が起きるのは、最近中東でも学んだことである。ルターが聖職者の権威を否定し万人司祭と言ったら誰でも神学を唱えられる。

ルターの推薦を受けたトマス・ミュンツァーは、過激な思想で司祭を辞めさせられたが、人間は平等という思想に基づき財産共有制を唱え、共産主義の村をつくった。彼は人間は媒介なしに神の啓示を受ける、と主張し、ルターに反対し、社会革命を唱えた。彼らの再洗礼派は、ザクセンを追われ、西南ドイツに入った。

西南ドイツ州ヴァーベン地方では、農民反乱がまき起こっていた。彼らは農民とはいえ傭兵として戦闘経験がある。1524年8月、テューリンゲン農民が兵隊あがりのハンス・ミュラーを頭領にした反乱は一気にシュヴァーベン地域に広がった。武装農民集団は3万から4万人にのぼった。

彼らは雑多な集団だったが、互いに連絡をとりあって「12条の要求」をまとめて出版したのである。ルターは、カトリック側からは、反乱の責任者と言われ、農民からは見解を求められた。ルターは「平和の勧告」を著し、領主、農民どちらに対しても平和的に解決するよう求めた。

下左ドマス・ミュンツァー右ルターの「平和の勧告」

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。