帝国対王国13-皇帝の長男フィリップの死

仏王ルイ12世の罠にはまり、スイスは独立するわ、ミラノは取られるは、さんざんな神聖ローマ皇帝の戴冠できないマクシミリアン、しかし結婚運だけはハプスブルクには強い。1496年スペイン王女ファナと結婚した長男ブルゴーニュ公フィリップ@イケメンに1500年男子が生まれる。この子こそカール大帝以来のヨーロッパ統一者といわれたカール5世である。

1501年、イケメンフィリップとファナはスペインに渡るが、フィリップは暑くて乾いたカスティーリアが気にいらず。臨月の嫁を置いてあっさり美しいブルゴーニュへ帰ってしまった。一時はファナの黒髪が珍しかったが、やはりブルゴーニュの金髪女に回帰し、スペインでファナは「金髪を切ってやりたい」と嫉妬した。

1503年、爺となったマクシミリアンは、ルイ12世がナポリで苦戦するのをザマミロと見て、フランスとよしみを通じていたバイエルンの跡継ぎ問題に介入して戦争を起こした。この戦争には「トルコの女帝とか「すばらしきダチョウ」とか妙な名をつけられた最新式の大砲が思う存分活躍した。

戦争に勝ったマックスは、帝国議会でも権威を取り戻し、ようやく運も昇るように見えた。そして邪魔するヴァネツィアを討って今度こそローマでの戴冠を目指す。一方1504年スペイン女王が崩御して、後継したファナの夫となったフィリップは1506年急死してしまったのだ。

下は映画「狂女王ファナ」よりイケメンフィリップの浮気三枚

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。