春の嵐13-武闘派教皇ユリウス2世

イタリアや 兵どもが 夢の跡。ていうかボルジア一家が失脚したひと騒動の後もよけいイタリアは混乱しただけだった。ルイ12世は結局ナポリをスペインに取られ、すごすごと本国に戻って寝込んでしまった。それでもミラノに加え、ジェノバを手に入れることには成功した。

アレクサンデル6世の後を継いだユリウス2世は、前任者よりも武闘派で、自ら教皇軍を率いて戦争をする。まあキリスト教徒をそのトップが戦争を仕掛けて殺していくわけだから、倒錯も極まれりというところである。

そして当代一のキレ者、マキャベリは、チェーザレの没落当たりから彼を見離し、ユリウス2世によるイタリアの武力制覇に期待をするようになる。彼もまたフィレンツェ政権の懐刀として、チェーザレが失敗した徴兵制を実行し、ピサを取り込み、フィレンツェを大きくすることを狙うのだ。

勝利したスペインも安泰ではない。イザベルの死により、フェルディナンドはカスティーリア王の地位を失った。そして女王となったのがなんとブルゴーニュに嫁いでいた娘ファナである。彼の夫はハプスブルク家のマクシミリアンの息子フィリップ@超イケメン。しかしこの男、女性に気が多く、真面目なファナは精神不安定になっていたのであった。

下は征服された町に立つ鎧を着込んだユリウス2世

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。