大航海時代17-ヴェスプッチ新世界を公表

後にアメリゴ・ヴェスプッチが有名になるが、コロンブスの後陣の船長は、アロンソ・デ・オヘーダである。1499年6月、4隻のオヘーダ艦隊は、ヴェネズエラに到着した。先住民は皆親切で、真珠や黄金を、ガラス玉や鈴などの安物と交換したし、祭にも誘ってくれた。

オヘーダ一行は、周辺を航海するとマラカイボ湖を発見、水の上に家を建てて生活する先住民を見て「小さなヴェネツィア、ヴェネズエラ」と名付けた。この湖は真珠の産地で、1500年6月に帰国したときはかなりの量の真珠を持っていたが、222人の先住民も乗せてきて、奴隷としてスペインで売り払った。

オヘーダに少し遅れてクリストバル・ゲーラと、ペドロ・アロンソ・ニーニョの1隻の船もヴェネズエラに到着したが、彼らが持ち帰った真珠は75キロもあった。こうして真珠狂想曲がまきおこり、山師達がヴェネズエラに押し寄せ、先住民を収奪していくことになる。

1500年、ポルトガルのカブラルがブラジルを発見。これが大陸の一部か知りたいポルトガル王が、渡航経験のあるヴェスプッチに航海を依頼。彼は南米の海岸線を南に行き、アフリカ最南端の緯度を越えても続くため、悩んだあげく1503年「新世界」という本で、これが聖書にもなく、まだ知られていない大陸であると発表した。この本がベストセラーになって、新大陸は「アメリカ」と命名されるのである。

下はアメリカを目覚めさせるヴェスプッチ

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。