大航海時代2-結婚で誕生したスペイン

さてイベリア半島のイスラムは、14世紀後半にはグラナダ王国を残すのみとなったが、イタリアとの交易で最盛期を迎え、キリスト教側にさまざまな知識を伝えてきたのである。しかし15世紀になると、またしてもキリスト教の圧力が高まった。

カスティーリャ王国のエンリケが起こした王朝はエンリケ4世が統治していた。王にはファナという娘が居たが、娘の父親疑惑がもちあがり、後継にできなくなった。やむをえず後継者となったのが異母妹で不遇にしていたイザベルである。王は彼女を20歳も年上のポルトガルに嫁がせようとした。

ところが「そんなオジンは嫌よ!」と言ったかどうかしらないが、なんと隣のライバルのアラゴン王国フェルディナンド王子に密かにプロポーズ。1469年10月19日、小人の共の者と勇敢にも敵国に入国した17歳の白馬の王子は、18歳の姫とロマンチックな極秘結婚をしたのである。

二人はこの結婚の誓いを貫き、74年王が崩御した後、彼女はイザベル1世として即位、夫と共同で王を宣言した。なんてこった、とポルトガルが介入し、その反乱を鎮圧している途中の79年、父王の崩御でフェルディナンドが王位を継ぎ、ここに両連合王国が誕生、現在のスペインはこうしてできたのである。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。