オルレアンの少女45-ジャンヌの戦友生々流転

ジャンヌ・ダルク外伝。その後、ジャンヌの仲間達はどうなったろう?まず「いとしの候」ことアランソン候はというと、1449年まで戦場を駆けまわり、故郷に戻ったときは破産状態。しかし国王の疑心はとれず、結局逮捕されて幽閉されてしまった。結局その後釈放の動きはあったものの候はそのまま亡くなり、領地は没収された。

ジャンヌの忠実すぎる副官ジャン・ドーロン。映画でもファンが多いが、結局弟と2人は捕虜生活をすごして釈放された。その後国王に仕え、1450年には要塞の司令官となっている。亡くなる58年まで、あちこちの任地を転戦した。彼は結局ジャンヌの生き証人となった。

オルレアン守備隊長、ル・バタール・ドルレアンは、既に書いた通り、ル・トレモイユの後侍従長として大抜擢。ブルゴーニュとの講和やローマ教皇とフランスの間をとりもち、ジャンヌ復権を果たした。阿修羅ことラ・イールは、ノルマンディー攻撃の司令官となるがジャンヌ解放はできなかった。

ややこしい男がジル・ド・レで、領地へ帰った後もジャンヌ奪還を試み、オルレアンのジャンヌ劇に出演している。彼は黒魔術にのめりこみ、多くの少年を虐待して殺害したとされ、1440年に死刑となり遺体は火刑にされた。彼はホラー童話の殺人鬼「蒼髭」のモデルとされるが、ジャンヌの火刑で精神を病み、黒魔術でジャンヌを生き返らせようとした説もある。

下はベラ・バルトークのオペラ「青髭公の城」

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。