オルレアンの少女27-欧州三国志ブルゴーニュ

ここでキャスティングボードを握るブルゴーニュ公国善良公フィリップ・ド・ボン。ブルゴーニュは度々欧州史に登場する。前歴はデンマークの島らしく5世紀に移動し「ブングルド王国」をこの地につくった。中世叙事詩「ニーベルンゲンの歌」は、フン族アッティラとの戦いの物語である。

さらに847年、フランク王国の分割でこの地は「中部フランク」として分割される。その後欧州中央からネーデルランドに至るブルゴーニュ公国が半ば独立する形で存在した。毛織物産業で栄え、ブリュージュはジェノバやハンザ同盟も商館を設置する経済、金融の北部の中心である。絵画でも音楽でも当時の最先端文化をいっている。

ブルゴーニュ公の妹は英国に嫁ぎ、父ジャンがシャルル7世派に殺害されたいきさつで、英国派となっているが、英国が勝ち過ぎても困るという三国志状態であり、オルレアン攻撃の際には兵を引き上げている。

これ以後も、この地からカール5世が生まれ、ヨーロッパ統合の中心となる。と思えばネーデルランドが独立、19世紀以降独仏の戦争の発火点となったアルザス・ロレーヌはこの地方であり、そして現在EU本部はこの地ブリュッセルに置かれている。

下はヤン・ファン・エイクの傑作ヘント祭壇画

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。