百年戦争10-ジャックリーの乱勃発

王太子シャルルは金策のために三部会を招集した。しかしさすがに今回はきけるわけがない。平民代表のパリ商人筆頭エティエンヌ・マルセルがその急先鋒となった。彼は、聖職者4、貴族12、平民12人からなる顧問会議をつくり、王に建言を行い、課税も三部会が行う、という「大勅令」をつくった。

王太子は仕方なく署名、ここに革命が始まった。マルセルは、1358年2月22日、王宮に侵入し、王の側近2人と2人の元帥を殺害した。3月王太子はパリを脱出し、シャンパーニュで摂政を名乗って三部会を招集した。4月はプロヴァンス、5月にコンピエーニュで開催し、パリの権威を否定した。

国内が乱れ、フランス北東部ではギョーム・カルルに率いられた大規模な農民反乱「ジャックリーの乱」が起こった。カルルはパリのマルセルと共闘しようとしたが、マルセルは王によって幽閉されていたナバラ王カルロス1世を釈放し、国王気どりのナバラ王が農民を鎮圧してしまった。

しかしここで覚醒した王太子シャルルは、別の三部会で資金調達に成功してパリを包囲した。マルセルの人気は、ナバラ王やイングランドと結ぼうとしたことで急落し、パリの防衛を固め、ナバラ王をパリに迎えようとしているところを、守備隊長の1人に殺害された。

下はフロワザールの年代記挿絵「ジャックリーの乱」

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。