ルイ9世のヨーロッパの平和も綻びが出てきた。英国の平和は長続きせず、1263年シモン・ド・モンフォールらは再び挙兵し、ロンドンを制圧。ここに第二次バロン戦争が勃発した。シモンは翌64年には王ヘンリー3世、王子エドワードを捕虜にし、実質イングランドの支配者となる。
シモンは議会を招集し、政治改革を行おうとした。この議会は貴族以外の騎士や都市市民代表をも召集し、イギリス下院の祖とされている。しかしまあやはり王がいない議会というのは収まりがつかない。シモンは新しい王になりたがっているという疑惑を生んだ。
王子エドワードが監禁から脱走すると、諸侯は王子のもとに集まり、今度は王軍が優勢となった。65年イーブシャムの戦いでシモンは敗れ死んだ。この戦いでは改革派は許されず殺害されたとされている。ヘンリー3世は再び王権を取り戻し今度こそ改革案を反故にした。
しかしシモンの議会は、次期王エドワード1世のときに実現され、ギクシャクしながらも平民も参加する議会が行われることとなる。シモンはイギリス民主主義の英雄とされ、今も尊敬を集めている.。
下はレスター時計台のシモン像
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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