世界大戦へ26-オーストリア最後通牒

7月23日、オーストリア帝国の最後通牒がセルビアに届けられた。そしてこの回答は48時間以内にしなければならない。セルビアはほとんどの条件を受け入れたが、墺帝国がサラエボ事件のセルビアの処理に干渉し、監視するという条件だけは内政干渉として受け入れられなかった。

セルビアは各国に調停を求めたが、この時点では及び腰だった。しかしロシアはセルビア支持を約束した。24日ロシアでは大臣会議が行われ、墺帝国に回答延期を求めること、そのための圧力として軍に部分動員をかけることが決められ、翌日皇帝もこれを裁可した。

セルビアは期限の2時間前に回答を墺帝国大使館にもっていったがこの文は外交的あいまいさの傑作と呼べるものだった。28日墺帝国はセルビアに宣戦布告した、とことがお粗末なことに軍の動員が進んでおらず、宣戦を8月の第二週まで延期しようという意見が政府内で出るほどだった。

ドイツの小モルトケは、さっさと戦争を始めて機先を制することを望んでいた。しがし外相は国際的圧力を恐れて墺帝国に調停を受け入れてはどうかという提案をしていた。独皇帝ヴィルヘルム2世は、友達の露皇帝ニコライ2世とも電報で会話していたが、ロシアが動員したことは不信に思った。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。