現代芸術10-ラフマニノフとスクリャービン

ロシアは西欧に比べて劣るかというとそうとも限らない。19世紀末から「銀の時代」と呼ばれる文化が華を開く、そしてその中でもソ連時代を経て現在のブーニン。キーシン他を輩出する「ロシアピアニズム」が生み出されるのである。これは19世紀初頭にフランスでピアニストが輩出されたのと同じである。

特にアントン・ルービンシュタインはヨーロッパで活躍しクララ・シューマンのライバルだった。そしてロシアにペテルスブルク音楽院を設立し、弟ニコライはモスクワ音楽院を設立して西欧から優れた教師を招いてロシアのピアニストや作曲家の育成に努めた。

その中の天才が20世紀に活躍するラフマニノフとスクリャービンだが、この2人はモスクワ音楽院の同期生である。しかし2人の個性は正反対で、スクリャービンが神秘主義的で幻想的な音楽をつくるのに対して、ラフマニノフはロシア伝統を洗練して大地の匂いのする音楽を作曲した。

1911年12月10日、この2人は指揮者とピアニストとしてスクリャービンのピアノ協奏曲を演奏した。しかし1915年スクリャービンは43歳で夭折してしまった。ラフマニノフは17年のロシア革命でアメリカに行くが、「ライ麦のささやきも白樺のざわめきもきいていない」なかでは作曲も低調となった。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。