現代芸術7-プッチーニの西部劇

1910年プッチーニの歌劇「西部の娘」がメトロポリタン歌劇場で初演された。このオペラにはモルガン家など、ニューヨークの名士達が詰めかけ、プレミアは30倍の値がつくなど好評でメット史上最高の成功を収めた。名士達は、当代最高の作曲家がアメリカを題材としたオペラを書いたということで鼻高々であった。

このオペラはメットで9回、シカゴやボストンでも上演されたがヨーロッパではパッとせず、駄作と呼ばれてしまった、実際音楽はすばらしいのだが、やはりヨーロッパでアメリカはダサいと思われていた。そしてご当地アメリカでは予想に反してニューヨークに地下鉄が通りブロードウェイと呼ばれる劇場ができていく。

そして「ブロードウェイの父」と呼ばれるジョージ・M・コーハンが「リトル・ジョニー・ジョーンズ」というミュージカルをつくってヒットさせた。このミュージカルたるやアメリカ人騎手がイギリスに行ってダービーに勝ち、不当な攻撃を押しののけて最後に成功するアメリカ万歳のドラマである。

プッチーニのオペラも違和感がないわけではない、皆ピストル持ってるのに誰も発砲しない、最後は追放で終わる。ニューヨークの名士達にはウケたかもしれないが、中途半端感がある。この頃のミュージカルは音楽とダンスの入る劇だが、次第に音楽とダンスが融合したアメリカ独自の文化となっていく。

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