世界大戦へ16-ボーイスカウト誕生

1908年ロバート・ベーデン=パウエルがボーイスカウトを発足させた。この時代下層階級の若者たちは「顔色が悪く、胸が薄く、背中が曲がって惨めな姿をして、ひっきりなしにタバコを吸う」とパウエルは書いている。この若者を健康でエネルギッシュな愛国主義者に変えたかったと彼は言う。

パウエルはボーア戦争の英雄であるが、マフェキングの戦いで包囲されたとき、見習い兵士団という組織化された少年兵が伝令などの役で有能な働きを見せた。彼はこの体験で、健康で組織された少年達を野外キャンプなどを通じて育てようと思う。ガールスカウトはやはり侵攻を受けたとき役立たせると彼は述べた。

この運動はやはりドイツにも広がり、「ドイツ精神」を強調した「ファドフィンデル」が生まれた。ドイツはもっと直接的に皇帝に忠誠を尽くすことを野外活動と共に教えられた。1911年ドイツで「青年令」が出され、青少年に愛国主義となるようさまさまな教育をするようになる。

ところがフランスにはこの運動が広がらなかった。第三共和制はクーデターで帝政ができた軍国主義的傾向を嫌い、さらにブーランジェ事件、ドレフェス事件によって軍国主義を市民達が用心するようになったからだ。ドイツ皇ヴィルヘルム2世は、露皇帝に「フランス人は兵士になれない」と言った。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。