ベルエポック68-アメリカ、フィリピン取得

当時のスペインというと、スペイン近代化の祖ともいうべきアルフォンソ12世が1885年に崩御し、その直後に生まれた王子が即位し、王妃マリアが摂政となっていた。キューバ弾圧を主導した首相から穏健なサガスタ首相に交代していたが、時すでに遅しだった。

98年5月1日のマニラ湾海戦ではスペイン艦隊は壊滅、アメリカはフィリピンの独立を約束し、現地の独立運動と手を組んだ。同時に2万人規模の派兵を行い、8月にはフィリピンのスペイン軍は降伏した。しかしアメリカはフィリピン独立の約束を反故にしたため、アメリカとの間で独立戦争が起こることになる。

キューバでは、アメリカは義勇騎兵隊のラフ・ライダーズ連隊らが赴いた。このとき決戦となるサンファン高地の戦いの突撃を指揮して有名になったのがセオドア・ルーズベルトである。スペイン艦隊もアメリカ海軍に全滅させられ、メキシコ湾海域はアメリカの手に落ちた。

1898年のパリ条約では、スペインはフィリピン、グアム、プエルトリコをアメリカに割譲し、スペインの海外領土はモロッコだけとなった。アメリカは反イギリスから生まれたため、海外植民地には反対だったが、結局時世に押され、「自由と進歩の拡大」のために世界に乗り出すことになった。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。