第6回十字軍18-皇帝フェデリコ北伊制圧

元々皇帝はこの世の最高権力者だった。しかし西ローマ崩壊後、西欧では教皇が自分を守らせるために復活させる。それなら皇帝という称号はいらんだろうに、この名をつけたために、皇帝と教皇とどちらが上か、と戦うようになっていった。皇帝フェデリコはまさにローマ時代皇帝を復活させようとしている。

そうなるときに教皇は北イタリアの諸都市(コムーネ)を頼りにする。実にこれらは十字軍を運び、中東との交易で富を蓄えていた。彼らにとっても自由を妨害する皇帝は敵でしかない。フリードリ1世のときに結成されたロンバルディア同盟が、1226年2世で再び結成される。

1236年8月、皇帝はアウグスブルクに1万5千の軍を集め、アルプスを越え北伊に侵入を開始、11月1日ヴィチェンツァを攻撃して、城門を閉める時を与えず市内に侵入し、街に火を放ち市民を虐殺、その徹底さに北イタリアは震えあがった。

翌37年11月コヌテヌオーヴァで待ち受けるロンバルディア同盟軍に対し、皇帝はクレモナに帰還するとのニセ情報を流し、陣を払う同盟軍に皇帝軍が襲いかかり、3千人もの死者を出して大勝した。フェデリコは敵無しに見えた。

下はコヌテヌオーヴァの戦い

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。