なんとフランスではまだアルビジョワの戦争が続いていた。こちらも実は十字軍である。1226年1月26日、ヴァチカンの要請に応え、代代わりの仏王ルイ8世は十字軍を招集した。これに対して南仏の諸侯は次々に忠誠を誓い、トゥールーズのレーモン6世は孤立した。
獅子王といわれれるだけあって軍は5月ブーリュージュを起点として次々に都市を制圧し、夏にはアヴィニョンを包囲した。ひと夏をかけて都市は陥落したが、ここで王は真夏の井戸水によって赤痢に罹ってしまう。軍はさらに進撃したが、トゥールーズを前にして病気が悪化、ついに撤退したのである。
そして11月8日、オーヴェルニュの山中にてパリへの帰還を果たせずにルイ8世は崩御した、39歳。実に在位は3年、偉大なる父フィリップオーギュストに隠れ、継いだばかりの無念の死となった。そして王の死と共にすべては振り出しに戻ったのである。
パリでは息子が12歳で即位した。王母はあの女傑アリエノール・ダキテーヌの孫ブランシュ。彼女は、臣下をまとめ、王の遺言を変えて自分が摂政となる。後に聖人王となり崇められるルイ9世の御世はこうして波乱万丈に幕があがったのである。
下はルイ8世のアヴィニョン包囲
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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