近代アジアの動乱45-閔妃暗殺事件

三国干渉によって日本の影響力が後退すると、朝鮮では1896年7月6日早くも閔妃一族がクーデターを起こして政権を奪還した、この後ろに居たのがロシア公使カール・イヴァノビッチ・ヴェーバーだった。そして閔妃はロシアの力を借りて、日本の影響下にある朝鮮訓練隊などを解散させようとした。

日本としては、日清戦争で取った朝鮮を手放すわけにはいかない。同年10月8日、日本公使三浦 梧楼が中心となって朝鮮王宮に乗り込んで逆クーデターを起こした。その中で閔妃はこの混乱の中で暗殺され、遺体は焼却されるという驚くべき事件となった。大院君は、暗殺が発覚する前に閔妃の身分をはく奪する。

しかし朝鮮内では親日派と抗日派の対立が激しくなり、11月8日には親露クーデターが失敗するが、翌97年2月、閔妃の夫で李朝王である高宗は、ロシア大使館に脱出し、そこで政務を取るという事件が起こる。そしてロシアの後ろ盾で、大院君派が今度は粛清され、ロシアが権力を握った。

露日は高宗を帰還させるために協定を結んだが、ロシアも日本と同数の軍を駐留する権利を得た。高宗は王宮に復帰し、97年10月12日、大韓帝国皇帝を宣言して自主独立の道を模索する。しかし朝鮮をめぐって日露の対立は激化する一方で、ロシアを阻もうとするイギリスら列強の中で、次の戦争への道が始まってゆく

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。