第6回十字軍4-皇帝フェデリコ聖地王へ

いっこうに腰をあげないフリードリヒ2世にヴァチカンもさすがに苛立ってきた。1225年、教皇からの申し入れによって皇帝との会議がもたれ、2年後の1227年8月15日に第6回十字軍を出発させることが申し合わされた。皇帝はそのための準備をし、ヴァチカンはそのための資金として10万オンスの資金を用意する。

それでも安心できなかったか、ヴァチカンは搦め手も用意した。なんと縁談、フリードリヒは最初の妻を亡くし当時やもめだった。そこへエルサレムの王女ヨランダを嫁がせて、エルサレム王にしてしまえば、行かざるを得なくなるだろう。フリードリヒ2世はさらにクールな男である、エルサレム王になればヴァチカンの言うことを聞かずに済む、ということで成立。

11月中東から渡ってきた14歳の花嫁と31歳の花婿は壮麗な結婚式をあげた。しかしこの花婿は頭はクールであるが下半身はホット。これまで4人の愛人をつくって5人の子供を産ませている。「イスラムの多妻制はええのー」という男。初夜の翌日にはさっそくお付きの女官を誘惑したと花嫁は父に手紙を送っている。確かに下半身の元気は良く、花嫁はすぐ妊娠した。

今回はマジで十字軍の準備をはじめていたフリードリヒ2だが、イスラムからの使者が来る。使者はエジプトのアル・カミールの側近のファラディン、そしてエジプトに攻めて来なければ、エルサレムを返すという。フリードリヒ2世はこの交渉をすすめることにしたが、使者が驚いたのは皇帝がアラビア語通訳が必要ないことだった。

下は嫁を迎えに行ったフリードリヒ2世

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。