1891年独露再保証条約の更新期限が来た。ロシアは更新を望んでいたが、なんとドイツは契約更新中止を決定した。ビスマルクはフランスとロシアに挟撃されることを恐れ、なんとかロシアをフランスの側につかせないようにいろいろ腐心してきた、ところがビスマルク失脚後の政権はこれを変えたのである。
バルカン半島をめぐってはますますロシアとオーストリアの対立が激化していた。ところがドイツはオーストリアと79年に独墺同盟を結んでいた。ビスマルクのようにロシアとオーストリアを外交によって適当に利益調整をすることが限界になってきた、それどころかバルカン戦争に巻き込まれることを恐れたのである。
新政権は八方美人を気取ることをせず、しっかりとした確実な同盟を結ぼうと思った、それが汎ゲルマンで結びついたオーストリアであり、またイギリスとも友好をして力で挟撃を防ぐよう路線を変更したのである。そしてロシアと同盟を結ばずとも友好関係が維持できると楽観論もあった。
しかしなんとロシアはフランスと結ぶのである。アレクサントル3世は、ロシアの東方開発に資金を必要として、金あまりのフランスがこれに投資をしていた。ロシアはやむなくフランスと連合する。そして1894年には軍事も含めた露仏同盟が正式にできる。ドイツは孤立を恐れ策をめぐらすが、結局露仏と戦うことになる。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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