第5回十字軍2-アルビジョワ戦争再燃す

教皇インノケンティウス3世が崩御した1516年、フランスはイギリスに攻め込んでいた。結局敗退して戻ってきたわけだが、さらにその年南仏のアルビジョワ戦争に火がついた。トゥールーズ伯レーモン6世は元の領地を奪回したが、1513年同盟者アラゴン王ペドロ2世をミュレの戦いで失った。

十字軍総司令官シモン・ド・モンフォールは再びトゥールーズに攻め入り形勢逆転。レーモン6世はまた悔悛し、ヴァチカンに領地安堵を願い出たが、すったもんだのあげく、ラテラン公会議で、シモンが新しいトゥールーズ領主として認められ、レーモン一党は放浪の身となった。

しかしである。新領主シモンと、もう一人の十字軍指導者アルノーとが内輪もめを起こしてしまう。市民達は元の領主がいいとラブコールをし、レーモン6世父子はアヴィニョンに歓呼の声で迎えられた。そして翌17年にはまたしてもトゥールーズを奪還してしまう。

18年には総司令官シモンが戦死。フランス王家もさすがに動き、王太子ルイを援軍に派遣したが、シモンの息子アモーリーは十字軍をまとめきれず、敗退し、王太子軍も撤退。泥沼の戦いは一向に終わる気配を見せず、ただでさえ現実主義者の仏王フィリップ2世が十字軍に応ずる可能性はなかった。

下はシモン・ド・モンフォールの死

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。