ベルエポック43-ニューヨーク自由の女神

1886年10月24日、ニューヨークで「自由の女神」の除幕式が行われた、これはアメリカ独立百周年を記念してフランスが寄贈したものである。最初に提案をしたのはフランス人歴史家ラブライエで、そのための募金活動がフランス全土で行われた。当時のフランスは帝政で、その反対の意味もあったらしい。

制作を依頼されたのは31歳のバルソルディだが、実はその前にもスエズ運河を記念して松明をかざした「アジアに光を運ぶエジプト」像制作の構想もあったらしい、偶像崇拝禁止で、イスラムとなじみのないローマ神像はさすがに実現するはずがなかったろう。

第三共和制になって「自由の女神」ことマリアンヌは共和制のシンボルとして使われるようになった。1880年に制定された「フランス革命記念日」のポスターにも姿を表している。バルソルディはドラクロアの絵画をモデルにしたようだが、それよりも威厳に満ちた姿となっている。

像の制作は、36フィートの石膏像を精密に測定し、214に分解した鋳型がつくられ、銅で鋳造された。内部の骨組みはエッフェルが設計し、これが後にエッフェル塔に生かされることになった。ともかく完成以後アメリカの自由のシンボルとなっている。ちなみに女神像は「自由」「平等」「友愛」が皆女性名詞だということにも由来するらしいが、英語は関係ない。

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。