ベルエポック37-エジプト、英管理下に

1873年の株価大暴落は、エジプトの運命を変えた。エジプト総督イスマーイール・パシャは、スエズ運河建設で地位を高め、オスマンの副王の地位を得て、ほぼ独立を果たした。ところが南北戦争による綿花ブームが終わりを告げると、運河建設の債務がのしかかる、そしてバブル崩壊がとどめをさした。

76年、債務のためにエジプトはスエズ運河管理権をイギリスに売却した。イスマーイール・パシャのピンチに乗じたオスマンは、79年彼を退位させてしまった。そして息子のタウフィーク・パシャが即位したが、英仏の実質エジプト支配に抗議し、81年にはウラービー大佐がクーデターを起こす。

ウラービーは首相となって、ヨーロッパ人やトルコ人を公職から追放し、純エジプト政権をつくろうとした。ところがこれはヨーロッパ人のみならず、オスマン帝国の中で高い地位についていたトルコ人らの反発を招いた。そして82年にアレクサンドリアで暴動が起こってヨーロッパ人が殺害されるという事件が起こる。

この暴動を契機に、イギリスはアレクサンドリアを占領、スエズ運河沿いに展開し、エジプト軍を打ち破った。ウラービーはスリランカに追放され、その後イギリスのエジプト総領事が、実質エジプトを統治した。エジプトは形式的にオスマンの支配下にあるだけで、オスマンはますます弱体化した。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。