1880年南アフリカでボーア戦争が始まった。ボーアとはオランダ語で農民を意味し、オランダ統治時代南アフリカへ渡った者達である。ケープタウンがイギリスに譲渡されると、ボーア人達はさらに奥地に入って先住民だったズールー族を追い出して、トランスヴァール共和国とオレンジ自由国をつくった。
しかし60年代両国で金鉱とダイヤモンド鉱山が見つかると、イギリスなどから移民が殺到した。セシル・ローズも家業の綿花栽培をやめて兄を追って71年にこの地に夢を賭けた。ところがダイヤが採掘されると価格が下がる。彼は行き詰るが、地下水を汲み出す蒸気ポンプを売ることで大儲けをした。
ローズは同じユダヤ系のロスチャイルドの支援で、値段の下がったダイヤモンド鉱山を買いまくり鉱山王となった。その会社が設立された80年、イギリスは自国民保護を名目にトランスヴァール共和国に侵攻する。しかし地の利に勝るボーア人達は、英兵相手に抵抗して第一次戦争は独立を守った。
セシル・ローズは、ダイヤモンドだけでなくトランスヴァール共和国の金鉱山をも買収して南アフリカの鉱山を一手に押さえた。その力で、94年にケープ植民地の首相となる。ここで彼は「グレン・グレイ法」をつくり、黒人を1つの地域に集めて管理しようとした、アパルトヘイトの始まりと言われる。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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