1880年、アメリカのメトロポリタン美術館が現在の場所に移築された。美術館の発案をしたのはジョン・ジョンストンで、64年のパリでアメリカ独立記念日を祝っている最中、アメリカにも立派な美術館が欲しいと思ったことがきっかけである。しかしそのときはアメリカは1点の美術品も所有していなかった。
70年の開設時にはわずか数点の所蔵品しかなかった美術館は、その後急速に所蔵品を拡大した、それはアメリカの大富豪の力である。大富豪達は、美術品を個人で購入し、遺産贈与や寄贈という形でこの美術館のコレクションを充実させていったのである。美術館もそれを収蔵するため、移築増築を繰り返す。
1904年にはJPモルガンが理事長となり、世界中から美術品を収集する。大富豪の中には経営破綻したリーマンブラザーズや、オピロイド系薬品で、現在不評のサックラー家も美術品を寄贈していた。それぞれの展示室には寄贈した大富豪の名前がつけられている。
メトロポリタン美術館は古代美術から近代、現代の多岐にわたる300万点が収集されている。しかし一説によればかなりの部分は贋作の疑いがあるという。しかし大富豪の集めた寄贈品は契約により放棄することができず、そのまま美術館の倉庫に眠っているものも多いらしい。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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