1875年1月14日、スペインに再び王政が復古した。王位に就いたのはイザベル2世の息子アルフォンソ12世である。スペインはイザベル2世追放のあとイタリアからアマデオ1世を招いたが、彼は政界のあまりのまとまりの無さから嫌気がさし、わずか2年の後73年2月に退位してしまった。
その後スペインに初めての共和制が宣言されたが、11カ月の間に4人も大統領が変わる。当然国民は反乱を起こして混乱状態、74年1月軍部のクーデターで共和制が崩壊、それでも混乱は収まらず、実権を握ったカンボス将軍が、イギリスに居たアルフォンソを帰還させたのである。
新国王は、1,876年憲法を承認し、議会と主権を分有し、イギリス時代に学んだ「君臨すれども統治せず」というスタイルを示すことになる。国内では、イザベル2世のときから続いていたバスク地方を中心としたカルリスタ戦争を20万人の大軍を率いて鎮圧し、国内を統一した。
国外では、アメリカの介入もあって反乱が続いていたキューバの独立戦争を交渉し、78年に休戦条約が結ばれた。こうして新国王の就任によってナポレオンの侵入以来動乱が続いていたスペインは、ようやく平和な時代になり、経済発展ができるようになった。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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