1875年7月、ようやく第三共和制の憲法的法律が成立した。ティエールのあとを継いだマクマオンは王党派で、王政復古が実現すると思いきや、国旗の三色旗が気に入らないとか言ってかんじんの王党派がまとまらない。そこで時間稼ぎのためにマクマオンの任期を7年間にした。
ところが74年から75年にかけて行われた選挙で、今度はボナパルト派が躍進した。決まらない政治にうんざりした国民は、また帝政を望むようになった。あわてた王党派は今度は共和制と連合するようになる。そして75年1月、憲法草案が国民議会に提出された。
この議会で、中央左派議員のワロン教授から、マクマオン大統領と記された文を「共和国大統領」とするよう修正案が出される。確かに憲法といいながら7年後に変えるのはおかしな話だ。しかし王党派から「まだ共和制にするとは決まっていない」と反対意見が出る。
なんと最終的な採決では1票差で、この修正案は可決された。これで左派右派の共和派が団結し、王党派もしぶしぶ共和制を認める。大統領を7年任期としながらも、大統領は議会で選ばれる。しかし大統領は反逆罪以外議会に責任を問われない。こうしていかにも中途半端だが前より堅固な共和制ができたのである。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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