ところがウィーン万博開催まもない1873年5月7日、ウィーン証券取引所が閉鎖されるという大事件が起こり、景気拡大は終わり欧米は恐慌に突入する。ウィーンの場合は皇帝が推進したウィーン改造バブルに金融が追い付かず、信用不安からバブル崩壊が起こったのである。
ドイツでは、やはり戦勝から投資ブームが起こっていた。そしてビスマルクはドイツ統一で、ドイツ統一マルクの金貨を発行した。しかしこれは従来の銀本位制を揺るがし、やはり金融不安を引き起こして信用を収縮させて過剰投資を顕在化させてやはり恐慌となった。
イギリスでもスエズ運河開通から短縮された航海によってどんどん在庫の山が溜まっていた。従来からの過剰生産をがこの信用不安で顕在化して長期不況に陥る。アメリカでも大陸横断鉄道のバブルがはじけその債権を扱う銀行が倒産、9月20日にNY証券取引所が閉鎖された。
マルクスが「恐慌は確実だ」と予言した通り、過剰生産による世界恐慌が発生した。インフレからデフレとなり、失業率が増えた。アメリカでは鉄道労働者の大ストライキが起きる。そして政権が変わるが、イギリスは労働法を改正する。マルクスの予言は当たったが「革命は確実」という予言は当たらなかった。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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