第3回十字軍6-総大将バルバロッサ就任

皇帝フリードリヒ1世と教皇は対立を繰り返した。この中で再登場したのが、教皇と皇帝は共に神から任命されたという「両剣論」である。そこで皇帝は自分の帝国を「神聖帝国」と号した。大仰な名前はこうしてできたのである。そしてその威を高めるために十字軍に行かねばならない。

1181年にルキウス3世が教皇となり、皇帝側との話し合いが行われ、和平が合意し、皇帝が十字軍に行くことを了承した。ところが1185年ルキウス3世が死去すると、反皇帝のウルバヌス3世が選出された。彼は皇帝のミラノ攻略の際に目の前で縁者を殺害されていた。

87年10月、教皇はフリードリヒ1世を破門すべくヴェネツィアへ向かう途中死去してしまう。そして次は皇帝と仲のよかったグレゴリウス8世が教皇に選出された。そしてヴァチカンは、皇帝の権利をかなり認めて十字軍への参加を決定したのである。

グレゴリウスは高齢のため12月に亡くなり、翌年クレメンス3世が選出。彼は皇帝との和平を確定させ、さらに英王リチャード1世、仏王フィリップ2世も参加させ、ここに諸王の参加する最強の十字軍をつくりあげた。89年皇帝は総大将として10万の軍を集め、騎士道に則り、サラディンに宣戦布告をした。

下は第3回十字軍を率いる皇帝バルバロッサ

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。