リンカーン暗殺後、1865年3月4日から副大統領のアンドリュー・ジョンソンが大統領に昇格した。新大統領は、連邦に忠誠を誓い、奴隷解放を受け入れるという条件で、南部白人に恩赦を与えるという再建政策を提示し、同時にそれが満たされる憲法を制定すれば連邦復帰を認めた。
そして連邦議会選挙を行ったところ、旧南部のリーダー達が続々と当選し、元南部連合副大統領まで当選してしまう。何と南部諸州では黒人取締法(ブラックコード)という法律が制定され、黒人は選挙権を実質奪われ、労働者としてプランテーションに縛られ、差別は温存された。
このような大統領の政策に、北部共和党は急進化して大統領との対立を深めた。そして提出されたのが、奴隷から解放された黒人を援助する解放民局の延長、そして最初の公民権法である。公民権法は、初めてアメリカで生まれたすべての人が平等の権利を有することを規定した。
この2法に対して大統領はまだ南部諸州の議員が選出されていない段階で制定すべきではないと拒否権を発動したが、議会は修正して再提案。なんとこの法案にも大統領は拒否権を発動したが、議会は上下院で3分の2の票を確保して、66年この法律を制定した。アメリカの理想と現実のアメリカの差はまだ残っている。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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