南北戦争6-北軍初戦失敗

南部連合は首都をヴァージニア州リッチモンドに決めた。なんと両首都の間はわずか150㎞。1861年7月、リンカーン大統領はマクダウェル将軍に、リッチモンド正面攻撃を命じた。練度が行き届かないのは自明だったが、何と招集期限が切れかけていて、また1からやり直さなければならないところなのだ。

北軍3万5千人はほぼ素人で、将軍は陽動作戦を試みるもまるでうまくいかない。対する南軍は2万2千人で、7月21日にブルランの戦いが発生する。緒戦は、北軍の迂回作戦がなんとか成功し、マシューズヒルを制圧した。北軍有利の展開になり、将軍は勝利を確信した。

午後からの激戦地はその南のヘンリーハウスビル、そこへ北軍の青色の軍服の軍団が接近したが実は南軍、なんと当時制服を揃えることはできず、南軍の一部も合衆国陸軍の制服をそのまま着ていたのだ。不意をつかれた守備隊は追い散らされ、大砲を奪取されて南軍が有利になった。

行軍の疲れがある北軍は後退し、戦いは南軍の勝利となった。死傷者北軍約3千人、南軍2千人。この敗北で北部文人のビッグマウスは消し飛んだ。今度は南部マスコミがビッグマウスを吹く番だったが、南部もまたそのまま進軍する力はなかった。長期内戦の予感だけが残る。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。