ロマン派の時代43-シューマン死す

シューマンがブラームスに自分の曲を弾かせると、妻クララを呼んだ「これまで聴いたことのない曲を聴きにおいで!」しかしブラームスは一文無しで、食事はシューマンの家で採る。彼はイケメンのくせに無口で、ピアノに向かうとロマンチックだった。「心優しく理想主義者で、金髪で、おどおどしている」

ブラームスはデュッセルドルフに留まり、シューマンは音楽誌に激賞する一文を載せた。夫妻は、ブラームスと一緒に演奏旅行に出かけて、ブラームスの音楽を紹介して、彼の音楽の普及に役立てた。ブラームスはその敬意のしるしに、1854年に「シューマンの主題による変奏曲」をつくっている。

しかし夫シューマンの精神疾患は悪化し、自分を精神病院に入れるよう言って、54年2月27日、クララが医師と話し合っている間にライン河に飛び込み自殺を図った。そして3月4日、シューマンは入院する。そのときクララは、8人目の子供を妊娠していた。ブラームスも、彼女を支えた。

クララは、夫の世話から解放されて、ヨーロッパに演奏旅行に出かけ、欧州一の女流ピアニストと絶賛された。ブラームスのピアノ三重奏曲の初演も行う。ブラームスは、彼女への手紙に「愛する人」と堂々と書くようになり、二人の仲は噂されるようになった。そして56年7月29日、夫シューマンが亡くなった。

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。