1852年3月20日、ストウ夫人の「アンクルトムの小屋」が出版された。この小説は、黒人奴隷のトムを従順で善良に描き、奴隷主レグリーを野蛮なものとして描いた。トムはイエスキリストに見立てられ、最期に暴行をしているレグリーをも赦して息絶える。この小説はその年でも30万部を売り、ベストセラーになった。
当時アメリカ南部は、世界の綿花の4分の3を生産していた。黒人奴隷は400万人に増えていたが、ヨーロッパからもますます移民が押し寄せていた。アメリカは米墨戦争の結果、西に領土を拡大し、新領土に奴隷制度を導入するかは大きな問題となった。新移民はそりゃ自分達の土地がほしいに決まってる。
1854年新しい準州の規則を定めるカンザス・ネブラスカ法が決定された。この法律は、奴隷制を導入するかはその住民が決めるというものであり、奴隷制反奴隷制の激突の場となってしまった。56年5月奴隷制支持派が反対派の拠点ローレンスを襲撃し、流血のカンザスと呼ばれる。
また上院議会では、マサチューセッツ州選出のサムナー議員が、「カンザスへの犯罪」と題する演説をしたところ、議場でブルックス議員に殴打される事件が起きた。奴隷制と反対派はもはや実力行使を行って解決するような状態になり、平和的解決はできない状況にあった。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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