48年革命11-フランス6月蜂起失敗

フランスの普通選挙は農村部の票で保守系の大勝利に終わった。カトリックはミサの後に司祭が大量に投票誘導をしたようだが、宗教票は政教分離を謳う現代社会でも有力だ、アメリカなどでは共和党も民主党も聖職者が投票を誘導する。当時としてはどうしようもないことだ。

フランス銀行が改組され、プチブル向けの国民割引銀行が設立され、労働者が引き離された。そして攻撃は国民作業場に向かう。5月15日、ポーランド独立支援のためにデモが行われ、そのデモはそのまま国会を占拠した。この事件で革命派は逮捕され、関係のないルイ・ブランまで逮捕状が出されて亡命する。

6月21日、国立作業場の登録労働者に、地方土木事業現場に行くか兵役に行くかを選べとの命令が出された。翌22日夜「パンか、銃弾か、自由か、死か」というスローガンのもと、労働者がパンテオン広場に集まり、抗議デモが行われたが、要望は拒否されるだけだった。

23日、パリ北部から東部にかけて貧困地区60カ所に大規模なバリケードが築かれた。24日議会は国防大臣でアルジェリア戦争で名をあげたカヴェニャック将軍に全権を委任し、鎮圧を命じた。彼は地方から軍を動員して、市民に銃撃を浴びせるという方法で鎮圧した死者は1400人、銃殺者は1500人を数えた。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。