ウィーン体制35-スペイン内戦勃発

イギリス本国でもジャガイモ飢饉の影響はまぬがれるわけがない。小麦価格が高騰してパンが高くなり「飢餓の40年代」と呼ばれるほどだった。チャーティスト運動が再起動し、普通選挙への要望が活発化した。産業資本家は、物価を抑えるために、穀物法を廃止して、食料を自由貿易で輸入しようと要望した。

穀物法は大地主や農業資本家が支持して、議会と内閣は揺れに揺れた。1846年トーリー党のピール首相は、穀物法を廃止したが、党が分裂して、首相はラッセルに代わった。穀物法廃止で、アイルランド小麦が不利になった英国地主達は、アイルランドで牧畜に変える。住民の貧困と飢餓はさらに加速された。

しかしスペイン問題が発生した。スペインは33年にわずか3歳の娘イザベルが即位したが、それをめぐって内戦が勃発した。内戦は39年に終結したが、この女王の結婚問題をめぐって英仏が対立した。仏王ルイ・フィリップは抜け目なく、ブルボン家と結婚させようとする。

これに反対する英国は、ヴィクトリア女王と共にドイツのザクセン家との結婚を勧めた。しかしこの結婚はフランスが勝利、この失敗で、イギリスは強硬派でアヘン戦争を主導したパートマン子爵が外相に復活、英仏関係は冷え込み、スペイン内政の対立も激しくなる。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。