ロマン派の時代18-男装の麗人ギャップ萌え

フランスはまるで個人主義である。1832年「アンディアナ」という小説が出版された、ヒロインが不幸な結婚生活を逃れ、真実の愛に生きようとする物語である。内容よりも、作者が27歳の男爵夫人のペンネームだったことがわかり、もっと反響は大きくなった、男装の麗人ジョルジュ・サンドである。

彼女は夫と喧嘩が絶えず、27歳でパリで自由に生きようと決心した。男装は、自由の象徴であり、女性に閉ざされた社会でも自由に入ることができた。夫とは裁判で別居を勝ち取り、自由になり自由に恋愛をして、それを小説にしてゆく。お相手には詩人や作曲家リストも居た。

ショパンは最初サンドを「それでも女か」と言って毛嫌いしていた。ところがサンドのほうはショパンに関心を持ち、お相手が居るのかとか、自分の今の恋人を乗り換えようかとか思案していたようだ、何せ7歳年上2人のコブ付き、恋のベテラン。かたや失恋の痛手未だ癒えずの27歳。

彼のもとに妙な手紙が届いた「あなたを熱愛する人がいますージョルジュ」そして女優マリー・ドルヴァルの「私もよ私もよ私もよ」という一文もあった。なんとギャップ萌えというか、思いもよらぬ短い文にショパンは心打たれ、アルバムに貼って生涯大切にしたとのことだ。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。