黒人奴隷8-英国奴隷制廃止法成立

1833年、イギリスで奴隷制度廃止法が成立した。08年にウィルバーフォースらが奴隷貿易廃止法を成立させたが、その後も奴隷はなくならなかった。そこで23年今度は奴隷制反対協会がロンドンで作られ、今度は奴隷制度そのものへの反対運動をする。31年にはジャマイカで大規模な奴隷の反乱がおきた。

実は、腐敗選挙区と呼ばれた、人口が少ないのに議席があるという選挙区は、大地主とか奴隷賛成議員が多かった。32年の選挙法改正で、腐敗選挙区が一掃され、議会の奴隷賛成者が少なくなった。奴隷制度廃止法が成立したのは、ウィルバーフォースが亡くなった直後で、彼は奴隷制度がなくなるという希望のうちに死を迎えることができた。

アメリカも第二次大覚醒のムーブを受けて奴隷廃止運動がすすむ。1833年に奴隷制反対協会ができた。彼らは奴隷問題は所有者の倫理の問題であり、即刻奴隷を解放して罪から離れるべきだと主張した。第二次大覚醒の行為主義がこれにも適用されているわけだ。

しかし南部では、綿花栽培産業が最盛期だった。1840年には世界の60%の生産高を占める。この南部の者達は、アンドリュー・ジャクソンのようなたたき上げで、倫理もへったくれもない男どもである。産業革命が進行する北部と、開拓精神の南部とは文化社会的にも大きな違いが出てきていた。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。