蜂起の失敗の後に本格的な労働運動が起こった。すでに7月王政誕生直後から、労働者は、賃金増額を政府に要求した。が、政府は、ナポレオン法典に基づく経済活動の自由を理由に、この要求をとりあげなかった。そして結社の自由や集会の自由も制限せれていたのである。
1833年、パリの仕立て工、製靴工、印刷工など20種類の労働者がストライキを行った。労働者新聞が発行され、そこでは資本家は新たな貴族階級とされ、労働者こそ人民で搾取されている、という思想が語られる。実際貴族から資本家となった者も多かったのである。
彼らの主要な思想は「サンシモン主義」である。アンリ・ド・サン=シモンは、フランス大革命からの人物。だが彼は、富の生産が社会の重要な仕事である、という社会経済学的立場を明確にしている。それまでの思想では生産は私的な行為だったが、彼は社会的な位置づけをした。
サン=シモンは、資本家も労働者も産業階級であり、それがキリスト教精神に基づき、友愛で結ばれる社会を考えた。しかし資本家と労働者の対立は激しくなり、一方で労働者が自分達で生産をする協同組合をつくる考えと、政治変革が必要という考えがつくられていった。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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