ウィーン体制6-南アメリカ解放の父

しかしこの頃、ラテンアメリカから自由と独立の火の手があがっており、ヨーロッパに反射する。ラテンアメリカには、クリオーリョと呼ばれる、現地出身スペイン人が増えていたが、彼らは官吏になる資格がなかった。ところが、ナポレオン兄のジョゼフが西王になると、もはや仕える理由がない。

その指導者が「南アフリカ解放の父」と呼ばれるシモン・ボリバルである。彼はヴェネズエラのクリオーリョの名家で、ヨーロッパに留学して、ナポレオンにも仕え、革命の影響を受けた。そして1807年ヴェネズエラで独立の火の手があがると、帰国してこれに参加する。11年には制憲会議がヴェネズエラの独立を宣言したがスペイン軍に鎮圧される。

ボリバルは徹底抗戦を誓い、コロンビアで解放軍をあげるが、うまくいかず、16年すでに革命を達成していたハイチの援助で、南米に再上陸。19年には、ヴェネズエラ、コロンビア、パナマ、エクアドルを合わせた「大コロンビア共和国」が独立し、その大統領となった。

スペイン王フェルディナンド7世は、南アメリカ独立運動の鎮圧部隊を、カディスに招集した。ところが20年1月1日、その中のデル・リエゴ少佐が、反ナポレオン戦争時に制定されてその後反故となった立憲君主制の「1812年憲法」の復活を要求して内乱を起こしたのである。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。