カペー朝1-キエフは正教で酒が飲めるぞ!

キエフ公国がキリスト教に改宗するには前提となる伝説がある。12使徒の一人で聖ペトロの兄弟で「聖おにいさん」では一緒に天国の受け付けをしている聖アンデレがここに居たというのである。アンデレはヴォルガ川に沿ってキエフで宣教し、ロシアに遡ったと伝えられる。正教会はアンデレから始まる。

そしてキエフ公国を造ったとされるオレグから受け継いだイーゴリ1世の妻聖オリガが957年にコンスタンチノープルで正教に改宗したとされる。彼女はノルマン系とも、ハザール国のユダヤ系ともいわれ、正式改宗以前にももうキリスト教の考えを知っていたようだ。

オリガは夫イーゴリ1世を反乱で亡くした後、摂政として国を統治した。彼女はビザンティンの聖職者を招き、遅れた国を発展させようとした。また西欧にも神聖ローマのオットー1世にも聖職者の派遣を要請している。そして孫をキリスト教で薫陶した。

その薫陶を受けた聖公ウラディーミル1世は、988年に正教を国教とした。その前にいろんな宗教を調査させたが、イスラムは禁酒なので絶対NG、ユダヤ教は国が滅びたのでNG、ローマ教会はロシアの在来の宗教をバカにしたのでNG、そこでビザンティンに使者を出すと、彼らは華麗な典礼に魅せられOKしたということだ。彼は皇帝の妹と結婚し、正教ロシアの基礎を築いた。

下はキエフの改宗。ウラジーミルと共に大勢の人が洗礼を受けた絵

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。