ナポレオン56-会議は踊る

ナポレオンは欧州地図をすっかり変えてしまったから戦後処理は大規模なものにならざるを得ない。大きな問題は、ザクセンとポーランドだった。ザクセン公はナポレオンに味方して、ロシアに捕らえられた。プロイセンは、かねてよりの宿願であるザクセンの領有を主張した。が、プロイセンの大国化は皆反対である。

ロシアは、ナポレオンによって独立を達成していたポーランドの属国化を希望した。ロシアの大国化も皆反対、実はハノーファーに領地をまだ持っているイギリスが、普露の大国化に反対したのである。さらにイタリアも問題となる。ナポリ王国のブルボン家回帰、オーストリアは北イタリアが欲しい。

神聖ローマ帝国はなくなったが、オーストリアはそれを再建してイニシアチブを握ろうとし、それには英普は警戒、仏は南ネーデルランドの領有にこだわる。ということでそれぞれ利害が来止まって「会議は踊るされど進まず」というキャッチコピーが出回った。

その中でキャスティングボードを握ったのが仏代表タレーランである。彼はブルボンフランス代表ということで正統主義を主張して、オーストリアに味方して巧みに自分の利益を図った。しかし踊るだけでなく、ときおり剣の柄に手がかかり、実力行使をしようとする。

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キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。