アウグスティヌスと母モニカ3-カルタゴの放蕩息子

「道に迷っているばかり♪」という歌ではないが、確かに中学、高校生時代は迷っているというより、道がわからない、といったほうがいいかもしれない。第2次性徴期で、身体も感情も大きく変わる。故郷に帰ったアウグスティヌスは「盲目的に突進」したと書いている。悪友と連れ添って「バビロンの街路を闊歩」し、盗みまでした。まあ男なら身に覚えがあるだろう。

母は心配したが、父は「男なんてそんなもんだ」と、息子の進学のために地元の資産家に金を出してもらい、370年アフリカのローマといわれるカルタゴで高等教育を受けるようにした。カルタゴへ行った彼は、「恋に恋して」演劇にハマってしまった。多分今ならアニメヲタになるようなもんだろう。

そして翌年、父は亡くなった。臨終にあたってはキリスト教に改宗し、母を喜ばせた。息子も、ヤル気を出し、知識欲が目覚めた。キケロを読み、真理を探求しようと思った。そして聖書も読んだが、哲学のほうが良いと思った、わかるわかる。論理的に考える習慣がつき、聖書はくだらんと思っていた。

しかし心配する母は息子の夢を見た。一人の若者が夢に現れ、「いずれ息子が母のもとに来るだろう」という夢だった。息子に言うと母が自分のもとに来たがっているのだろう、と思った。しかし彼はその頃、ある女性が好きになり、同棲しちゃってたのだ。

下はモニカへの夢のお告げ

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。