1806年2月、皇兄ジョセフを司令官とするナポレオン軍は南イタリアのナポリに侵攻、3月9日のカンポテネーゼの戦いで、墺ナ軍に勝利して、ジョセフはナポリ王となった。ジョセフがこの2年後にスペイン王となると、ナポレオンの妹と結婚したミュラ元帥がジョアッキーノ1世となり、支配することになる。
アントワネットの姉マリア・カロリーナと結婚したブルボン家ナポリ王フェルディナンド4世は、シチリアに落ち、シチリア王として生き延びた。実はシチリアにはイギリス海軍が駐留しており、ナポレオンを阻んだ。シチリアは、地中海の拠点であり、しかも軍隊で使う硫黄の産地だったからだ。
マリア・カロリーナは、摂政となって、政治に疎い夫に代わって王国を統治していた。アントワネットの危機にも、軍を派遣したが、弱いナポリ軍は連戦連敗で、ナポレオンとも最初金を払って講和した。しかしシチリアでも実質イギリスが支配しようとし、これに逆らって1813年に追放され、ウィーンで亡くなった。
彼女は聡明で、フランス王家に嫁いでいたら歴史が変わったともいわれる。そしてパスタ好きの王が、手づかみで食べようとするのを下品に思い反対したところ、料理長スパダッチーノが、食事とりわけ用だったフォークの歯を4本にして料理用にしたという。フォークを見ればアントワネット姉妹を思い出してほしい。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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