1797年、初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンは、8年間2期で大統領の職を辞した。実はワシントンには、そのまま大統領選挙に立候補し、実質終身大統領となってもらいたい要望が寄せられていた。ワシントンは「皆共和主義者であり、政党が要らない」と言った。
実はワシントンは、1期で退くことを考えていたが、国をまとめていけるのがワシントンしかいないと説得された。ハミルトンの連邦党、ジェファーソンの民主共和党が激しく対立し、理想は絶たれた。大統領選挙では連邦党のジョン。アダムスが僅差で勝利し、敗れたジェファーソンが副大統領となった。
ワシントンは、最後に辞任挨拶を新聞に発表し、何よりも憲法への忠誠と国民の団結、そしてその基礎の宗教と道徳を訴えた。ワシントンの時代は、国際的にも英仏が対立し、どちらにもつかないという孤立主義的選択が行われた。この辞任挨拶は、アメリカ政治の精神となった。
ワシントンが二期で引退したことは、政権交代性を示すこととなり、その後も三期務めたのは第二次大戦中のルーズベルトだけである。しかし一方で、ワシントンの神格化も行われた。ドル紙幣の肖像画はもちろん、アメリカ議事堂の天井画には、神々の中心にワシントンが描かれている。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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