「最高存在の祭典」の美術プロデュースはダヴィッドだったが、音楽監督は「フランス交響楽の父」と呼ばれて、皆が知ってる「ガヴォット」も作曲したフランソワ=ジョセフ・ゴセックである。祭典では2500人の合唱団と100人のオーケストラが「最高存在の賛歌」や「ラ・マルセイエーズ」を歌ったらしい。
彼は1734年生まれのアンシャンレジームの人間であり、モーツァルトやハイドンとも交流があった。だが革命の理念に共感して、軍楽隊も養成し、あのフランス軍攻勢の転機となった「ヴァルミーの戦い」のオペラも作っている。ここでも自由の女神が舞い降りてくるシーンがあるようだ。
革命政府は、ブルボン朝の音楽アカデミーを国家のものとして、パリ高等国立音楽院をつくる、これが現在でもある「コンセルヴァトワール」の起源で、彼は初代校長になった。ベルリオーズやグノー、サンサーンスなどフランスの名だたる音楽家はここを出ている。
ゴセックは、ナポレオン時代にも、レジオンドヌール勲章を受けるなど、音楽界の重鎮として活躍し、管楽器が活躍するフランス音楽の基礎をつくり、大規模で劇的な音楽でロマン派に影響を与えた。しかし王政復古すると、今度はウィーンに行っていたケルビーニが重用される。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
0コメント