仏王処刑4-ヴェルサイユ行進

1789年10月5日革命の画期となる女性達の「ヴェルサイユ行進」が勃発する。実際パリの窮状は一向に改善されず、しびれをきらしたのだ。その前にパリでも女性のデモが頻発した。ネッケルの信用はもう尽きており、借入は失敗。それに徴税人の機能がマヒし、無政府の広がりで税金も入るはずがない。

また9月末からヴェルサイユに軍隊が到着し、どんちゃん騒ぎをして400本のワインを空にした。これは近衛隊の主催だったが、国王夫妻も顔を出した。10月3日、このことはパリに文書が出回った。例の「パンがなければ」というセリフもこの時と言われるが、この言葉は以前からあって、宣伝に使われたのかもしれない。

10月5日に行ったのはまずパリ市庁舎。そこで金や武器を略奪し、ヴェルサイユに向かう。英雄ラファイエットは市民軍の司令官となっていたが、2万人の兵と一緒にその後をかなり遅れて行く。彼女達は、2021年1月6日のワシントンのように国会を占拠したが、暴徒とは呼ばれない。

国民議会議長ムーニエはとデモ代表女性5人が、国王のもとに向かい、ルイは即座に地方から小麦粉をパリに送るよう命令を出した。代表の女性は国王から頬にキスされて感激し「国王万歳」と言ってしまった。しかし多数の群衆は、ワインとブランデーで酔っ払い雑魚寝をした。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。